農作業での荷物の積み込みなどの負担を軽くしようと和歌山大学と県工業技術センター、和高専が共同で「農業用アシストスーツ」の研究開発に取り組んでいる。荷物を持つ動作を補助するなどの機能があり、平成22年度から研究。2、3年後の商品化を目指しており、今月24日には有田川町の県果樹試験場で実証試験が行われる。
 農家の高齢化が進む中、作業の負担を減らそうと、和歌山大システム工学部の八木栄一教授を中心に和高専の佐野和男教授らも参加し、農林水産省の補助を受けながら研究している。手袋などに取りつけられたセンサーが、物を持ち上げるなどの動作を感知し、内蔵モーターが足腰にかかる負荷を軽減。約10㌔の重さをカバーする能力があり、約20㌔のコンテナなら半分の力ですむという。
 これまでも数回試作品を作り、実証実験を実施。農家にミカンの入ったコンテナなどを運んでもらい、一定の効果を確認している。24日の試験では課題の1つであるスーツの重量を軽量化。ことし10月に行った前回の試験の改良モデルは重量6・9㌔で、さらに軽くし、初めてとなる女性での試験も行う。また転倒した場合の安全性を高めるためにカバーを装着し、見た目も改良した。
 電子制御を担当している和高専の佐野教授は「細かな課題はたくさんあるが、今後もやはり重量とコストが問題。まだまだ試験を繰り返し改良していく必要がある」とし、「完成すれば農作業をしている多くの高齢者の方の助けになると思います」と話し、商品化を目標に取り組んでいる。