看護の向上に貢献した保健師、助産師、看護師、准看護師をたたえる県ナース章の受章者が決まり、ことしは県全体で13人が受章。日高地方関係では国保日高総合病院の総看護師長浪政美さん(56)=日高町阿尾=、日高町の医療法人楠山整形外科に勤務する准看護師竹内みち代さん(54)=美浜町和田=の2人が選ばれた。11月7日午前11時から県庁正庁で表彰式が行われ、仁坂吉伸知事から表彰状と純銀製のメダルが贈られる。
 浪さんは、高知県梼原(ゆすはら)町の出身で、同県内の看護学校を卒業後、大阪府立羽曳野病院に勤務したあと、昭和56年7月から日高病院に勤務。平成22年4月には副総看護師長、昨年4月からは総看護師長として、慢性的な看護師不足が続くなか、看護師個々の生活スタイルに合わせて職場環境を整えるワーク・ライフ・バランスの推進に努めている。現在、日高病院の常勤看護師は206人。そのトップとして、大きな課題に人材の確保を挙げ、「そのためにはやはり、働きやすい職場環境が重要になります。看護師不足も大きなピンチは過ぎたものの、まだまだ十分とはいえません。来年春の日高看護専門学校の開校に合わせ、看護師が仕事に意欲を持って、楽しめる職場環境づくりを進めたいと思います」という。今回のナース章には「これまで支えてくださった先輩、同僚、その他病院関係者の皆さまのおかげです。地域の人に喜ばれる病院にしていきたいですね」と話している。
 竹内さんは、中学校を卒業したあと日高准看護学院で2年間勉強し、昭和51年4月に資格を取得。同年から日高病院で勤務し、仕事をしながら授業を受けていた陵雲高校衛生看護科を53年に卒業した。日高病院で10年間働き、61年7月から現在の楠山整形外科で勤務している。ケガをした子どもからお年寄りまで幅広い患者に日々対応しており、「患者さんは不安で来院されるので、少しでも和らげられるよう笑顔で接することを心がけています」。この道一筋37年、責任のある仕事は大変なこともあるが「患者さんから、おかげでよくなりましたといってもらえたときは、この仕事をしてよかったと思います」と笑顔。平成9年には日高医師会長、15年には県医師会長から永年勤続表彰を受けている。受章に「あっという間でしたが、先生や同僚に恵まれ、助けていただいたおかげ。これからも健康でいる限り、ずっとこの仕事を続けていきたいです」とますます張り切っている。