創意工夫に富んだ暮らしに役立つ作品を募る「第53回暮らしの発明展」で、日高川町上初湯川の中島知久平さん(65)の「魚のうろこが飛ばないうろこ取り器具」が、特賞の近畿経済産業局長賞に選ばれた。作品は魚料理の際に多くの人を悩ませるうろこを飛び散らすことなく、らくらくと取れる優れもの。作品は30日から3日まで大阪市住之江区の大阪南港ATCで展示、30日に同会場で表彰される。
 発明展は一般社団法人全国発明婦人会(吉本弘子会長)の主催。全国各地から家庭用品をはじめ、福祉・介護用品、事務用品、おもちゃなど暮らしに役立つ作品約70点の応募があり、この中から特賞12点、入賞6点が選ばれた。
 中島さんの「魚のうろこが飛ばないうろこ取り器具」は、魚の表面を水平に軽くこするだけで、どんな種類の魚のうろこでもらくらくと取り除くことができる作品。絶妙な角度の刃がうろこを裏側から起こしながら外すことを可能にし、うろこが飛び散るという問題点を解消。うろこが取れにくい大きな魚にも対応でき、刃の角を使えばひれの周りや頭周りも隅々まできれいに取り除ける。プラスチック製で、縦8㌢・横5㌢と縦10㌢・横3㌢の2タイプ。軽くてコンパクトな上、洗いやすく主婦や料理人などの味方になりそうだ。通常タイプのほか、よりコンパクトなアウトドア用や組み立て式のタイプもある。
 中島さんは、以前から魚のうろこ取りに不便を感じていたことから作品の製作に挑戦。試行錯誤の末、昨秋に作品が完成、ことし2月に特許を取得した。商品化される予定となっている。中島さんは今回が2回目の出品で、入賞したのは初めて。「皆さんの悩みの解消にお役に立つはず。商品化という船出に、このような賞をいただき箔(はく)が付きました。とてもうれしく思います」と笑顔で話している。
 中島さんは平成19年に「車中のひったくり防止安全ベルト」を発明。日本発明振興協会関西支部の優秀発明賞に選ばれており、特許を取得している。