受験生は勝負の夏。この猛暑の中の努力が将来の人生を大きく左右する。「ドラマを見たい」欲望と闘っている子もいれば、食事と睡眠以外はすべて勉強という子もいるだろう。志望校に合格したいという思いがどれだけ強いか、そのために自分は何をすべきか。勝負は「いま、やるかやらないか」にかかっている。
 人は日々、何をするにも選択に迫られる。朝は新聞を読むかテレビを見るか、昼めしはラーメンにするかうどんにするか、帰宅後は先に夕食か風呂に入るか、テレビは野球かドラマか...。普通の人は無意識のうちに、そうしたい思いが強い方を選んで過ごす。
 しかし、長いようで短い人生、「ここっちゅう(ここぞという)とき」にはしんどい選択をしなければならないときもあり、受験はその代表格。また、組織は新しい体制になった際、旧体制をどう評価し、どの部分を引き継ぎ、発展させるのか。もしくは過去のすべてを否定するのか。日本は安倍政権になってようやく、長らく続いた衆参のねじれが解消された。
 見渡せば周辺の国は敵だらけ。支那事変(日中戦争)が泥沼化、日米開戦へと進んでいった七十数年前と同様の外交・安全保障上の危機が迫っており、日本人はいまこそ、昭和の戦前と戦後で分断された教育、伝統、文化、政治を検証し、反省すべきは反省のうえ、戻るべきは戻らなければならない。
 戦後の冷戦の始まりのなか、副大統領時代のニクソンがいったように、アメリカは中ソではなく日本を敵視する大きな過ちを犯し、その選択ミスがあっていまの日本がある。日本の政治家は戦後68年の国家の来し方を振り返り、中韓の易姓革命を他山の石として、過去に学んで日本を取り戻す政治を。  (静)