筆者は喫茶店が好きでほぼ毎日行く。平日は出稿を終えたあと昼食がてら、休日はモーニングを食べに行く。コーヒーを飲みながら、スポーツ新聞や週刊誌を読むのが楽しみだ。一人で喫茶店に行く目的は飲食、新聞・雑誌など読む、ちょっと一服・暇つぶしといったところ。ごくまれにではあるが、目的の一つである新聞が読めないときがある。他の客が読んでいるなら仕方がないのだが、読み終わっているのに元に戻さない。脇に置いたままにしていたり、同席者との話しに夢中になってテーブルにほったらかしにしていたり。こちらとしては「新聞いいですか」と言いにくく、少し不愉快。
 これに対し、日高川町美山地域の人たちには感心してしまうことがある。会場にもよるが、イベントが終了した際、ほぼすべての人が座ったイスを自分で後片付けするのだ。設営の撤収まで手伝う人もいる。「客だから」とすたこらさっさと帰る人はいない。ここ1年では、子ども祭りや国道の開通式でもそんなシーンを見受けた。初めて見たときは驚いたが、主催者に対しての負担軽減とねぎらい、催し開催への感謝の念も含まれているのだろう。片付けする住民も、催しをした主催者も、そんな光景を見ている人まで温かい気持ちになる。何とも言えない心遣いで、とても大きい。
 自分が新聞を読んだのなら、なぜ他にも読みたい人がいるかも知れないと考えられないのか。美山地域の人ほどの心遣いまでいかずとも、小さな心掛け、元に戻すという小さなわずらわしさだけで、少なくとも筆者のような人が快適なひとときを過ごせる。きょうも出稿が終わっていつもの店へ。快適なブレイクタイムとなることを願う。(昌)