コロナ禍で開催された57年ぶりの東京オリンピック。17日間にわたって熱戦が繰り広げられ、日本は史上最多の27個の金メダルを獲得。銀は14個、銅が17個。メダル総数は58個で、前回のリオデジャネイロ大会の41個を上回って過去最多となった。岩出市の四十住さくら選手(19)もスケートボード女子パークで金メダルを獲得。和歌山県の選手が個人種目で金メダルを手にするのは前回の東京オリンピック以来の57年ぶりで、県民に勇気を与えた。

 競技以外で印象に残ったのは参加国の振る舞い。韓国の選手団は来日早々に「福島産は放射能汚染されているから」として独自の給食センターを設置。選手村にも反日的な垂れ幕を掲げたほか、スポーツクライミングボルダリング競技の人工壁についても「旭日旗の形だ」と抗議する選手もみられた。

 しかし、大半の国は日本のホスピタリティに好意的で、SNSなどを通じてボランティアやスタッフらの親切な対応を紹介。アスリートからは「サンキュー東京」「サンキュー日本」と感謝の気持ちが相次いだ。選手村の食堂も評価が高く、食レポ風にSNSに投稿するアスリートたちが続出し、「今まで食べた餃子の中で選手村の餃子が一番おいしい」「かっぱ巻き、ツナ入りの寿司は最高」などと日本食の魅力も世界に発信された。

 コロナの影響でほとんどの競技が無観客で行われたが、こうしたおもてなしの力は日本のイメージアップに大きく貢献し、コロナ後の訪日観光客の増加につながることだろう。大会を支え、盛り上げたスタッフやボランティアの活躍は金メダルに値することは間違いない。(雄)