海の向こうのメジャーリーグではエンゼルスの大谷翔平選手が、投手と打者の二刀流で活躍中。31日現在の成績でみると、打者では本塁打37本でア・リーグ2位のゲレロ(ブルージェイズ)に5本差をつけてトップを独走。打点も81打点で82打点のディバース(レッドソックス)に1点差。投手としても5勝(1敗)を挙げ、防御率は3・04。打者としても投手としても申し分のない成績だ。

 その大谷選手が野球以外でも注目されているのが振る舞い。グラウンドやベンチに落ちている小さなごみを何気なく拾う姿などが米メディアに取り上げられ、ファンから「プレー以外の振る舞いも一流」と称賛を受けている。花巻東高校時代の佐々木洋監督に「ごみを拾うことは運を拾う」と教えられ、それ以来続けているそうだ。

 東京オリンピックでは日本人選手が大活躍で、メダルを獲得した選手らのインタビューがテレビで放送されている。その中で選手が必ずと言っていいほど口にするのが、周囲の応援に対する感謝。監督やコーチ、食事管理や精神面などでサポートしてくれた人たちのほか、家族や友人らの励ましもあったのだろう。

 スポーツの世界では「心技体」という言葉がよく使われる。「心」は精神力、「技」は技術、「体」は身体の能力。この3つをバランスよく鍛えることが重要だという意味。それに加え、周囲の支えの存在は不可欠。その力があるからこそ、苦しい時でも頑張れるのだろう。この周りの大きなサポートが得られるのは、日ごろからの振る舞いや他人に対する思いやり。スポーツ選手に限ったことではないが、一流には人間性という要素も必要になってくるのではないか。(雄)