みなべ町教育委員会は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、今月2日からの学校臨時休校に合わせて体育施設等の利用を禁止していたが、子どもたちの心身の健康を考慮し、16日からクラブチーム等の活動に開放した。初日は早速、南部バレーボールスポーツ少年団の小学生が上南部小体育館を利用し、2週間ぶりに練習を再開。子どもたちの笑顔がはじけ、感謝の言葉も聞かれた。

 町教委では臨時休校と同時にスポーツ少年団活動等の自粛も要請し、町内のスポーツや文化団体は他市町と同様、一時的に活動を停止していた。ただ、2週間が経過し、児童生徒は運動不足でストレスがたまり、健康面やとくに精神面への影響が懸念されることから、団体代表者が感染予防に責任を持ち、参加者の健康状態の把握や利用注意事項を順守できる団体に限り、体育施設や武道館の利用をできるようにした。

 豊田泰猛教育長は「利用に関して保護者や団体関係者からの要望があるし、子どもたちの心身の健康のためにも、運動やコミュニケーションの機会を与えることは大切なこと」と利用再開を決断した。17日からは剣道や中学生バレーのクラブチームも練習を再開し、ほかの団体も利用を検討している。ただ、クライミング施設は使用禁止で、中学校の部活も再開はしない。

 施設使用に当たっては利用時間が設けられ、手洗いや咳エチケットの徹底、他団体との交流は禁止、毎回体温チェックなどの注意事項があり、責任は利用団体が負うことになっている。

 今月1日以来の再開となった南部バレー少年団の練習は保護者会が主導で、自主参加にもかかわらずほぼ全員の約40人が集まった。マスクを着用しての練習となったが、表情はみんな明るかった。

 6年生の長瀬日鞠さん(清川小)は「体育館を使えるようにしてくれた方々に感謝しています。みんなの元気そうな顔を見れてうれしい。(出場を決めていた)全国大会がなくなったのは悔しいですが、その分も中学校で頑張ります」、庄司妃華主将(南部小5年)は「昨日、体育館が使えるようになると聞いてうれしかった。休み中は家でランニングなどをして、いつでも練習できるように準備していました。体育館を使える分、しっかり練習して全国大会を目指したい」と話していた。

 選手は手指消毒と梅酢でのうがいを徹底し、保護者会はドアノブや器具、ボールも一つ一つ消毒して感染予防に細心の注意を払った。保護者会の塩路真之会長は「休み中は走ったり体幹トレーニングぐらいしかできなかったので、体育館を使わせてもらえるようにしてくれてありがたい。自主参加でもほぼ全員が来ていて、明るい表情を見ると、みんな体を動かしたかったんだなと思います」と話した。

写真=マスク着用で練習する子どもたち(上南部小体育館)