和歌山市と南海電鉄が、遊休不動産を再生、活用し、中心市街地の活性化につなげる「リノベーションまちづくり」の連携協定を結んだと、報道があった。リノベーションまちづくりは、空き家や空き店舗などの遊休不動産を活用し、エリア価値向上、地域活性化につなげようという取り組み。美浜町では9月に初のスクールが開かれるなど、地方創生事業として進められており、「リノベーション」という横文字の言葉もスッと入ってきた。美浜町の取り組みはまだまだこれからだが、和歌山市は国内有数のリノベ先進地らしい。今回、南海電鉄は来年度から加太地域の遊休不動産を対象にスクールを開校。市と共催で、費用も折半となる官民協働事業になるという。

 人口減を何とかしようとするのが地方創生事業の大きな目的。要するに、いままでやってきたことがダメだから新しい発想、方法で挑戦してみようという取り組みだ。まず身近なところで考えてみよう。町の人口8000人の時代に整備した集会場、公民館、図書館などの施設を人口4、5000人になったときに建て替え、維持していけるのか。これまでの公のみのやり方では多分無理。前出の3施設なら民間の力を借りてスーパーやカフェを併設するなど、官民協働が実現すれば活路が見いだせるのではないかと思う。利用者も便利になり、和歌山市のようにすれば困難に対応できる可能性は高まるはずだ。

 公が絡むと、すぐに法や規制が立ちはだかり、やれない理由が前にくる。そんな法や規制も、本当にやる気があれば取っ払う、改正すればいいだけ。それくらいの意気込みで、やれる方法を見つける柔軟な考えが地方には求められている。(賀)