JA紀州(久保秀夫組合長)が鳥獣害対策の一環として開発し、平成23年7月末から売り出しているレトルトカレー「あんばいできました紀州カレーしし肉入り」が、発売から3年で4万食を突破した。5個入りや6個入りの贈答用が売れ筋で、当初目標としていた年間1万食を大幅に上回った。ただ、ことし4月の合併以降はPR不足から伸び悩んでおり、今後は一層アピールに努めていく。
 しし肉カレーは、日高地方でも深刻な問題となっていたイノシシなどの獣害を少しでも減らすことと、人気が高まっているジビエを使った特産物作りをしようと、旧JA紀州中央が有田市の企業とタイアップして23年に開発した。甘口と辛口で売り出し、いまでは中辛も加えて県内のスーパーなどで販売している。管内特産の野菜を使った旨みたっぷりのルーとやわらかくておいしいしし肉が人気で、好評を得ている。
 初年度は7月末から24年3月末までで1万2416食を販売。2年目は少し落ちて9764食だったが、25年度は2万692食と大幅に伸ばした。贈答用で大口の注文があったのが大きな要因で、地域のオリジナルブランドとして着実に知名度が上がっていることをうかがわせている。ことし7月末で丸3年となり、販売数は4万4492食となっている。
 ただ、ことし4月から7月末までは販売数1620食と伸び悩んでいる。4月に3JAが合併したばかりで、カレーのPRにまで手が回っていないのが実情。発売当時は紀州中央の組合長で現JA紀州専務の芝光洋さんは「組織も落ち着いてきたので、これからどのように販売促進していくかを工夫、検討し、販売を伸ばしていけるようPRしていきたい」と話している。