あちこちで桜が見頃を迎え、先日、友人とみなべ町の島ノ瀬ダムを初めて訪れた。毎年、記者が撮影した写真を見て迫力を感じていたが、実際に行ってみるとその何倍ものインパクトと美しさに圧倒された。

 多くの花見客でにぎわっていたのだが、行きかう家族にちょっとした違和感も。両親に連れられた小学校低学年ぐらいの子が、なぜか学校の制服を着てランドセルを背負っている。

 休日なのに学校帰り? 迎えに来てもらって、家に帰らずそのまま来た? 瞬間、そんなことが頭をよぎったが、だからといって不思議な話でもなく、風の冷たさに震えながら、堤体から見下ろす桜を写真に撮ってダムをあとにした。

 その後、友人のリクエストで日高川町平川の桜とチューリップの花壇も見に行った。予想通り、駐車場が満杯の大にぎわいで、ここではランドセルを背負った小学生が何人もいて、順に入れ替わりながら写真を撮っていた。

 子どもはおそらく新1年生。入学式には少し早いが、結婚式の前撮りのように、きれいな花の前でポーズをとっている。その様子を見守るおじいちゃん、おばあちゃんも幸せそうな笑顔で、なんとも心温まる春のひとコマだった。

 ランドセルといえば、いま、海外の若者の間で人気を呼んでいるという。アニメに出てくる子どもが背負っているのがかわいいと話題となり、ハリウッドの人気女優が赤いランドセルを背負った写真をSNSにアップしたことで一気に火がついたとか。

 ランドセルを背負ってか、背負われてか、先を行くお兄ちゃん、お姉ちゃんをちょこちょこ追いかける1年生は天使のよう。ドライバーはくれぐれも安全運転を。(静)