新入社員であろう、真新しいスーツ姿、初々しい表情の若者を取材先で見かけるたび、4月なんだと感じる。8日には日高地方の多くの小中学校で入学式が行われ、新しいランドセルを背負った子どもたちが新しい一歩を踏み出した。出会いに胸を躍らせ、これまでと違う環境に期待と不安の入り混じった、なんとも新鮮な季節である。筆者も新入社員だったころから17年が過ぎた。無我夢中だったあの頃といまの自分を比べてみると、反省点ばかり...。初心忘れるべからずである。
新入生といえば、日高地方に久しぶりとなる学生40人が10日に入学する。日高看護専門学生である。看護師不足が深刻な日高地方の医療態勢を充実させるキーマンとなる方々である。「患者さんに寄り添える看護師に」、そんな気持ちでこの道を選んだであろう皆さん、初心をいつまでも忘れず頑張ってほしい。看護師になった暁には日高地方の病院で活躍してほしいと、願わずにはいられない。いや、願うのではなく、そのための看護学校なのだから、実現させねばならない。そのためには何が必要なのか。学校長となる日高病院名誉院長の森脇宏さんが明快に答えてくれた。「各病院は魅力ある職場になるよう一層努力しなければならない」と。
専門職である看護師は、少しでも魅力ある職場に勤務したいと思うのは当然のこと。魅力ある病院とは看護師だけでなく患者に寄り添える医師、人の心を和ませる笑顔で接する窓口職員ら、病院で働くすべての人で作るものだろう。すなわち住民から親しまれる病院になることである。病院職員が学生たちのよきお手本となることが、よき看護師を養成することになる。教える側も教わる側も、初心を忘れず頑張ってほしい。(片)