男性がクマを見つけた五ツ谷池近くの道路

 21日昼、日高町高家地内の民家のすぐ近くでクマが目撃された。目撃情報からツキノワグマの成獣とみられている。町内では最近10年で11件の目撃情報があるが、民家の近くで見つかるのは異例。発見した男性は数十㍍追いかけられており、町や御坊署は住民に注意を促すとともに、警戒を強めている。

 場所は役場から北約500㍍の五ツ谷池(いつたにいけ)のすぐ近く。午後2時半ごろ、高家に住む松下優雅さん(18)がバス釣りができるかどうか池の様子を見に行こうと、原付で登り坂を走っていると、前方の道に黒っぽい大きなものを見つけた。よく見るとクマだと気づき、慌ててUターンすると、松下さんの方を見ていたクマが約20㍍追いかけてきたという。松下さんは「犬やイノシシのレベルの大きさではなかった。実際にクマが目の前にいると、何もできなかった」と話した。松下さんはすぐに警察に通報した。

 連絡を受けた御坊署は周辺をパトロールし、住民に注意を促し、町は現場を確認するとともに町内放送で呼びかけた。学校では教諭らが見守り、集団下校を行っていた。

 池から最も近い民家は100㍍も離れておらず、池へ向かう登り坂のふもとには民家がたくさんある。騒ぎを聞いた住民が集まり、「こんな近くでクマが出るなんて怖い」と話した。池田地内の山でクマがひっかいた爪痕のついた木を見たことがあるという男性は、「6年ほど前に池田の国道42号を子グマが横断しているのが目撃されている。そのクマが大きくなったのか。こんなところに出てくるなんて」と驚いていた。

 県によると、2015年以降、日高町では18年度に6件、20年度1件、21年度4件のクマの目撃情報が寄せられているが、民家の近くに出没するのは珍しいという。