26日の投開票へ御坊市長選はいよいよ終盤に入る。現職の三浦源吾氏(64)と、新人の山本譲一氏(62)が連日、夏のような暑さの中も精力的に運動を展開。一方で有権者の関心は低く、投票率の低下が懸念され、両陣営とも投票率アップの呼びかけにも力を入れている。有権者は今回の選挙をどう感じ、まちの未来に何を望むのか聞いてみた。
選挙、政治への関心については自民党政治資金規正法違反事件など政治への不信感が募る中、「だれがやっても変わらないのでは」「選挙、政治に特に関心はない」という声が目立ち、今回の市長選でも同じような傾向。半面、「関心はないが、投票という自分の権利は行使したい。人口問題は何とかしてほしい」(37歳・会社員男性)、「選挙に関心があるし、投票も行くが、いまの政治体制でまちの未来に期待できるようなことがない」(50代・会社員男性)など、複雑な思いの声もあった。
疲弊する商店街の活性化も大きな課題で、「今回の現職、新人ともに商店街の政策をどうするのか、商売人には何も響いてこない。地域に根づいた商店街をもっと大切にすべきではないか」(54歳・男性店主)との不満も聞こえてくる。
市内では増加する空き家活用の問題や移住定住促進の課題があり、若い移住者からは「他のまちのように御坊市でも空き家バンクや子育て支援を充実させてほしい。自分のまちをどうしてほしいか、託せる人を考え、若い世代こそ積極的に投票すべき」(大阪出身の20代女性)。また、農業従事者の高齢化、担い手不足、耕作放棄地の増加が深刻な問題で、「市がドローンなどを活用したスマート農業の推進にもっと力を入れてほしい」(40代・農業関係男性)との要望もあった。
一方、市の高齢化率は昨年4月1日現在で34・1%にまで上昇。「市民の3人に1人が高齢者」という時代に突入。「年金が少なく、介護保険料や税金が高いので、生活が苦しい。補助金制度を充実させてほしい」(70代・主婦)と、物価高騰で切実な願いもある。