秋に入り過ごしやすくなったとはいえ、日中はまだまだ暑い。かと思えば朝晩は過ごしやすいを通り越し肌寒さを感じる。この時期は気温の変化についていけず、寒暖差疲労に悩まされている人は多いだろう。疲れているとついついため息をつくことも多くなってくる。

 誰かがため息をついているのを聞くと、「イライラしてるんかな」「疲れてるんかな」と変に萎縮してしまう。ため息は怒りや無気力さなど、決していい印象ではないイメージ。面と向かってされたときには「ああ、もう自分は呆れられてるんだ」と責められた気分になり、思考が悪い方へ悪い方へと向かってしまう。「ため息をつくと幸せが逃げる」とはよく言ったもの。でも、どうしても疲れているときは無意識に出てしまうものは仕方ない。ため息をついてはいけないと変に意識すると、余計にストレスが溜まり、特大のため息が出てきそうでこれまた怖い。

 しかし、ため息は体にとっていい側面もある。ため息が出るときは、心配事や悩みを抱えているとき。そのような緊張状態になると体の筋肉がこわばり、呼吸が浅くなるので、はあ~と大きく息を吸って吐くことで自律神経のバランスを整えることができるそう。ため息はその場ですぐできるストレス解消法なのだ。

 だが体にいいからといって、人前でするときは注意が必要。連発していると心配されるどころか、気難しい人認定されかねない。疲れていると無意識で気付かないことも多いが、あくびと一緒で、行動は伝染しなくでもネガティブな気持ちが伝染している可能性は大。ため息をつくときは一人でこっそりと。上手に自分の気持ちをコントロールできるようになりたいものだ。(鞘)