「地域の農業を盛り上げたい」と白井さん

 日高町の若手農業者団体「アッセンブル日高」が、JAや行政協力のもと、分業化と機械等の共同利用による生産方式の確立に向けた取り組みをスタートさせる。ほ場整備された農地の有効活用、遊休農地や担い手不足の解消へ、メンバーが行う耕うんから定植までの作業と、参画した人が行う管理や収穫の作業を分業化。1年目はヨーロッパ原産の夏野菜「トレビス」の試験栽培を行う。

 同団体は、町内の30代を中心に6人でつくり、7月に発足。町農業委員で農業士会会長の白井雄太さん(39)=小池=が代表を務めている。


 同年代の農家とともにグループ農業を行っている白井さんは、年代を問わず農業を始めよう、続けようとする人から新規や更新といった機械への投資について「やりたいけどお金がない」という内容の相談を受けるなか、この仕組みを考案。小浦や志賀(久志・中志賀)で整備が進められているほ場を農地中間管理事業で借り受けて実施する。


 耕うん、畝立て、定植の作業をメンバーらオペレーター部門が担い、水や病害虫の管理、収穫のほ場管理を参画農家が行う仕組み。オペレーターには作業した分が労務費として支払われ、参画農家は担当したほ場の売上から経費を差し引いた分が収入になる。農機を使う作業をオペレーター部門が行うため、参画農家には設備投資や過重労働の必要がなく、地域の高齢農家、新規就農者、定年帰農者、子育て世代の女性ら幅広い層の農家の参加を想定。ほ場整備された農地の有効活用や担い手不足、遊休農地の解消に期待がかかる。


 県や町の補助金を活用したい考えで今後は法人化も検討。来年から本格導入できるよう進めており、まず今年は収益性が高く、農業者の所得確保へテストとして、メンバーでトレビスを栽培する。来月20日ごろ、60㌃の畑に定植。白井さんは「機械の更新が難しい高齢農家、設備投資が大変な新規就農者だけでなく、会社員の男性や子育て中の女性、個人でもグループでもできる仕組み。トレビスだけでなく他の野菜でも、私たちがサポートしてもうけてもらい、地域農業を盛り上げていきたい」と話し、町担当者も「これをモデルに、同じような団体が各地域にできれば」としている。