「地震の揺れが起こったら机の下に隠れる」。地震時の初期対応として基本となっており、多くの人が子どものころから何度も練習してきたことだろう。揺れている間は天井の灯りや棚、または棚に入っているものや割れた窓ガラスの破片など、危険なものが飛び交う可能性があり、机の下で頭や身を守る必要があるのだ。

 耐震性のある建物で一つの部屋に多くの机が並んでいる学校の教室や、会社などによくある鉄製のデスクなら守ってくれそうだが、各家庭ではどうだろうか? 筆者宅のダイニングテーブルをあらためて見てみると天板、脚ともに木製で、脚も細い。天井の照明が落ちる程度なら守ってくれそうだが、天井が落ちるなどすれば、とても耐えられそうにない。地震時に役立つためには、もっと丈夫なものが必要と感じる。

 そんな中、由良町畑出身の小田和史さんが防災家具の開発を進めている。地震で家屋が崩壊した際に身を守ってくれる家具で、テーブル、学習机、ベッドの3種類で進めている。テーブル、学習机は丈夫な脚などを備えており、ベッドは上部にフレームがあり落下物からガードしてくれる。このほど町内で行った実験では重さ1㌧以上のコンクリートの塊をそれぞれの家具の上に複数個置き、耐久性を確認。今後、発売に向けて更に改良を進めていくという。

 地震については津波対策や避難経路をよく考えるが、阪神・淡路大震災では8割以上が自宅での家屋崩壊などで亡くなっており、揺れからいかに身を守るかも重要だ。これからテーブルなどの家具を選ぶ際は、見た目や利便性だけでなく、耐荷重性などにも注目した方がいいかもしれない。(城)