奥辺路の修復作業を撮影(龍神村湯ノ又)

 きのくに信用金庫と和歌山大学は7日から、田辺市龍神村の魅力を紹介するプロモーションビデオの制作を始めた。9日までの3日間は現地で観光名所や移住者へのインタビュー。今後は動画の編集を行い、12月3、4日に東京ビッグサイトで開催される城南信用金庫(東京)主催の「よい仕事おこしフェア」で上映する。

 両者で締結している包括連携協定に基づく事業。龍神村を活性化させる移住促進プロジェクトとして取り組み、期間は3年間。きのくに信金、和歌山大学のほか、関西大学、地元の地域おこしグループ「龍の里づくり委員会」のメンバーら約60人が参加した。

 初日は宮代オートキャンプ場でオリエンテーションが行われ、きのくに信金専務理事の岩橋儀幸さんが「昭和35年10月にきのくに信用金庫の龍神支店が開店し、長い間にわたって龍神との縁がある。大自然の環境も魅力」、和歌山大学客員教授の小川雅則さんも「私自身は龍神村の出身ですが、村の魅力を外からの目線で広く発信していきたい」とあいさつした。

 動画撮影では湯ノ又にある熊野本宮大社につながる修験道「奥辺路」へ移動。山道などを走るトレイルランナーの中川政寿さん(43)=小又川=が案内し、参加者が古道の修復活動を実施している様子や大自然の森林を収録した。2日目と3日目は移住者の城所ケイジさん(チェーンソーアート)、石﨑亜矢子さん(養鶏業)、正木吉紀さん(宿泊業)にインタビューし、護摩壇山スカイタワー、龍神温泉、吊り橋などを撮影した。

 和歌山大学観光学部2年の石川麻夢さんは「出身地の北海道でも過疎化が進んでいます。このプロジェクトで参考になることがあればと思い参加しました」と話していた。