関西電力株式会社などが御坊市と印南町の沖合を想定区域とする和歌山県沖洋上風力発電事業(仮称)を計画、30日に環境アセスメントの最初の段階となる配慮書を経済産業大臣に提出し、岸本周平知事に意見を求めたと発表した。浮体式では世界最大級となる100万㌔㍗の風力発電設備で、配慮書は今月4日から8月2日まで、県庁、御坊市役所、印南町役場、関電ホームページで閲覧できる。

 関電と、ドイツ最大のエネルギー会社RWEの再生可能エネルギー専門会社東京事務所(RWE Renewables Japan合同会社)との共同事業。想定区域は御坊、印南の沖合10~30㌔、平均風速毎秒8、9㍍の風況がよい海域で、県の洋上風力発電調査では環境への影響が比較的小さい「調整エリア」に位置する。パシフィコ・エナジーが2019年に環境配慮書の縦覧を行った御坊市、美浜町、日高町沖の和歌山西部洋上風力発電事業(75万㌔㍗)よりも沖合。

 最大発電出力100万㌔㍗は原子力発電1基分に相当し、9500~2万㌔㍗級の風力発電設備50~110基程度を設置する見込み。1基当たり2万㌔㍗の設備では、平均海水面から最大の高さは310㍍、3枚あるブレードの直径は284㍍。水深が深いため風車を海底に固定しない浮体式を採用する。環境評価法に基づく環境アセスは配慮書から最終の評価書まで4段階あり、一般的な工程で4年程度かかるとされる。

 関電は再エネ分野で2040年までに洋上風力を中心に国内で1兆円規模の投資を行い、新規500万㌔㍗、累計900万㌔㍗の開発目標を設定。関電にとって洋上風力の配慮書提出は山形県、佐賀県、北海道に続き今回が4例目、関西エリアでは初で、「地域の皆さまや関係行政機関の意見をたまわり、環境保全に十分配慮し、事業実施の可能性の検討を進めていく。再エネの普及、拡大に取り組み、ゼロカーボン社会の実現に貢献していく」とコメントしている。

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