県内の年次別男女別梅毒届出数

 全国的に性感染症の梅毒が広がるなか、県内でも2022年の感染者数が2006年以降で過去最多の37人となったことが県のまとめで分かった。前年の19人から約2倍、06年の3件と比べると10倍以上。感染した人の年代としては20代から40代までが多く、御坊保健所管内(みなべ町を除く日高地方6市町)でも昨年は4人が報告されている。

 県内の発生状況をみると、06年から14年までは一桁で推移。15年は21人、16年は18人、17年は19人で、18年は32人に急増した。その後、19年から21年までは10人台後半で推移していた。

 近年は全国的にみても大きく増加傾向にあり、「SNSの普及で若い男女が知り合い、性交渉を持つことが増えたのではないか」との見方もあるが、県内はSNSをよく利用する10代や20代の感染者が特に多い状況ではなく、健康推進課は「増加要因についてははっきりと分からない」と話している。

 御坊保健所管内でも21年に1人、22年に4人、今年(6月20日現在)に入って1人が報告されている。

 梅毒は性的な接触などでうつる感染症で、初期の症状は性器などにしこりができるが、痛みがないことも多い。治療しなくても症状は自然に軽快することもあるが、体内から病原体がなくなったわけでなく、他人にうつすこともある。治療せず3カ月以上経過すると、全身に発疹が出ることがある。早期の薬物治療で完治可能だが、検査や治療が遅れたり治療せずに放置したりすると、長期間の経過で脳や心臓に重大な合併症を起こすことがある。

 県健康推進課は「今後、啓発活動に力を入れ、感染者数の軽減につなげたい」と話している。

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