日高川町の美山地区3小学校でICT(情報通信技術)を使った合同租税教室が開かれた。

 笠松小で行う授業の様子をカメラで撮影し、テレビ会議システムで川原河、寒川第一の両小をつないで行う。画面越しに3つの教室がつながると、すでに顔見知りの児童たちは名前を読んだり、手を振ったりと楽しそうで、普段の授業と一味違った雰囲気で学ぶ税金の授業は印象深いものになるだろう。この日は御坊税務署の職員が講師で、児童は小学校生活のイベントがマス目になった税金すごろくを行い、身の回りにはたくさんの税金が使われていることを楽しみながら学んだ。

 小学校の租税教室を取材していつも感心するのが、児童が税金にとても詳しいこと。講師に知っている税金の種類を問われると、皆率先して手を挙げ次々に税金の名前を答えていく。あらかじめ授業で習っているにしてもとても優秀。日高地方は関係機関の尽力や中学校の協力で、「中学生の税についての作文」の提出率が毎年90%を超え、全国でもトップクラスの高水準だが、その土壌は小学生時代の租税教室でも培われている。

 最近は、税金のことだけでなく、選挙管理委員会や財務事務所とも連携したコラボ授業を行い、税金の使い方を決定する国や地方自治体の代表を決める選挙に親しんだり、国の目指す方向を考え、限られた税収から予算案を作ってみたりと、税金を通して国の財政や政治、国民の暮らしについて学んでいる。

 自分たちが支払う消費税の行方について考え、社会の成り立ちにも触れる学習は、お金の価値や使い方の学びにも通じる。租税教室やコラボ授業の実施状況は学校によって異なるが、多くの学校で実施されればと思う。(陽)

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