
花ショウブの栽培に取り組んでいる片岡やゑ子さん(74)=御坊市野口=は、希少な花ショウブの品種「宇宙」の開花に成功。「24年来の念願がかないました」と喜んでいる。
30歳の時、知人から預かった花ショウブの美しさに魅せられて自分も育てるようになり、50歳の時、出たばかりの本で「宇宙」の存在を知って一目ぼれ。いつか必ず手に入れると決意した。江戸時代に花ショウブの栽培を始めた松平菖翁(しょうおう)が作出、名づけた花で、株分けで現代に伝わっている。弱い品種で栽培が難しく一般的にも販売されていない。片岡さんは、2011年から教えを受けている日本花しょうぶ協会会員、岡山県の片岡文男さんから購入した。7年前に購入の申し込みをしていたがなかなか実現せず、3年前の11月、海外の購入予定者がコロナで来日できなくなったためようやく順番が回ってきたという。しかし手入れが極めて難しく半年で枯死。懇願して2度目の苗を購入し、「絶対に失敗できない」と慎重に育てた。今回は花芽が出てもすぐに咲かせないようにするなど気を付け、やっと開花を見た。
花の色は深みのある澄んだ青紫色で、白い筋の入った様子が宇宙を思わせる。片岡さんは「最初に一目ぼれしてから24年、長いことかかりましたが、やっと花に会うことができて感動しました。江戸時代に『宇宙』と名づけられた菖翁のセンスは素晴らしいと思います。こう言うと笑われますが、私は花ショウブに命をかけています。こんな美しいものはないと思います。大事にして増やせるよう頑張って、来年にはとびやま花しょうぶ園に移したいと思っています」と話している。


