県視覚障害者福祉協会(寺前勇会長)主催、第50回夢ふれあい俳句大会が11日、和歌山市手平のビッグ愛で開かれた。雑詠の部で、御坊市身体障害者福祉部会視覚部会から参加した薮内まさみさん(72)=御坊市湯川町財部=が最高の天賞を受賞。同部会からは薮内さんを含め3人が入賞しており、団体でも2位に入賞した。
薮内さんの入賞作品は、「遠き日の祖母のにおいのかしわもち」。幼いころ、田植えの時期には作業に忙しい皆で食べられるように祖母が「へっついさん(かまど)」で小豆を炊いて柏餅を作ってくれた。小豆の甘い匂い、出来たての温かい柏餅の感触を今も覚えているという。「おととしには祖母の五十回忌を済ませました。田植えの季節がくると、今のものとは違って少し硬いけれども味わい深くておいしかった祖母の柏餅を思い出します。一番いい賞をいただくことができて、まさかと驚きました。とてもうれしいです」と喜んでいる。この句は選者3氏のうち川口修・武友朋子の2氏の特選、大倉義正氏の佳作に選ばれた。薮内さんの他の句「七夕や心に書きぬねがいごと」は武友氏の秀作、「もう一度あじさいの道戻りけり」は同氏の佳作に入賞している。
このほか、木本タヨ子さん(御坊市)の「合格を春風きって孫来たり」が川口氏の秀作、柴田すみよさん(同)の「磯遊びパンツいっちょの父笑う」が大倉氏の佳作に選ばれた。席題(当日発表される題)の部の結果発表は後日。