美浜町は、釣りや美しい景観が魅力の煙樹ケ浜を中心とした「煙樹海岸活性化基本構想」を打ち出した。浜ノ瀬から本ノ脇までの海岸線と松林をエリアに、和田の潮騒かおる憩いの広場近くに海産物等の産品加工販売所の新設、通年オープンしたキャンプ場への一層の集客へ進入路の拡幅、新浜の公園の充実、第一若もの広場の再整備などを計画。子どもからお年寄り、観光客が集えるエリアにし、地域の活性化につなげていく考えだ。

 町では、地方創生プロジェクトAとして、煙樹海岸を中心とした活性化に以前から取り組んでいたが、アンテナショップを閉めてからは進んでいなかった。籔内町長の2期目がスタートしてから、職員とともに活性化へ向けて夢のある構想を打ち出そうとアイデアを出し合った。

 メインとなるのは、水産振興を目的として水産加工販売所の新設。場所は潮騒かおる憩いの広場の公衆トイレ近くに設置を計画。すでに6月補正予算で設計費を提案しており、2025年度に着工、オープンさせる見通し。具体的には決まっていないが、釣り客が釣った魚をさばける機能や、鮮魚、加工品を販売することを考えている。旬の鮮魚等は浜ノ瀬の漁港エリアからの供給を思い描いている。

 煙樹海岸キャンプ場は今年4月から通年オープンしており、北海道や群馬県などすでに全国各地から来場。一層の集客へPRに力を入れるとともに、現在は乗用車同士の対向も困難な進入道路の拡幅と、潮騒かおる憩いの広場へつなぐ新たな道路整備を企画。キャンピングカーなど大型車でも進入しやすくすることで、利用客増を目指す。

 新浜さざなみ荘近くにある公園「王子遊園地」の再整備にも取り組む。新しい遊具をこれから増やす計画で、6月議会に補正予算も提案している。子ども連れが利用しやすいよう、東屋や来年度以降も遊具を増やしていく。浜ノ瀬の第1若もの広場の再整備では、グラウンドゴルフやゲートボール、野球など多目的に使えるよう、一部を人工芝化することを検討している。

 このほか、煙樹ケ浜でかつて盛んだったシラスの地引網を観光としての復活、散歩コースで人気の松林内の遊歩道の整備なども構想に組み入れている。

 籔内町長は「関係機関と協議しながら、数年後には実現できるよう、できることからやっていきたい。多くの人に来てもらってまちを知ってもらい、ふるさと納税にもつなげて好循環を生み出し、活性化していきたい」と意欲を見せた。

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