新型コロナ禍では、学校も休校となり、なかなか対面授業ができない時期もあった。高校や大学では、コロナが少し落ち着いてからも、感染予防のためにリモート授業を行うこともしばしばだったと思う。さまざまな弊害があった中で、リモート授業は一気に進展した分野だったといえるだろう。コロナの規制が大幅に緩和され、各学校にもコロナ前の日常がほぼ戻っているのは非常に喜ばしいことだが、いざというときはリモート授業に切り替える臨機応変さが必要だと感じることがあった。
今月2日から3日にかけての大雨。和歌山市で線状降水帯が発生するなど高速道路や国道が至る所で通行止め、電車も途中から運休と交通は大混乱した。日高地方では幸い人的被害はなかったものの、床上、床下浸水など大きな被害が出た。2日朝、学校の登校時にはまだ警報が出ていない地域もあり、いつも通り学校で授業を受けた児童生徒も多かったが、警報発令で途中下校。大雨や台風シーズンには毎年よくあることだ。こんなときこそ、リモート授業に切り替えることはできないのだろうか。
天気予報の精度は年々上がっている。気象台と連携して今後の雨の予想などの情報提供を受けて、登校時は警報が出ていなくても、その後出る可能性が高いときは登校させずリモート授業を実施できれば、子供たちの安全が守られるし、授業時間が確保でき、途中で迎えに行くという保護者の負担も減る。文部科学省はギガスクール構想を打ち出し、児童生徒1人に1台のタブレットを配布して活用するよう促している。こんなときにリモート授業を活用するのもコロナ禍から得た教訓の一つではないか。(片)