
県は12日、御坊市内の桜の木に、バラ科の木を食害する特定外来生物クビアカツヤカミキリの被害を確認したと発表した。日高地方では初めて、県内市町村では7番目。現在のところ日高地方特産の梅の木に被害は及んでいないが、梅産地の関係者は「被害が紀北地方から南下してきた。今後の動向がとても心配」と懸念している。
クビアカツヤカミキリは体長2~4㌢の昆虫。光沢のある黒色で、首の付近が赤いのが特徴。梅、桜、桃などのバラ科の樹木に幼虫が侵入して食害し、枯死させてしまうこともある。
2011年、国内(埼玉県)で初めて成虫を発見。県内では17年にかつらぎ町で初めてオスの成虫が見つかり、その後、紀北地方を中心に急激に被害が広まり、橋本市、紀の川市、岩出市、和歌山市、かつらぎ町、九度山町の4市2町で被害が確認されていた。3月末現在で桜や梅などの県内の被害樹は1544本。
今回は今月10日に住民から日高振興局に御坊市内の桜の木でクビアカツヤカミリの幼虫が出す糞と木くずが混じったフラスを発見したと通報。かき・もも研究所(紀の川市)で調べた結果、クビアカツヤカミキリと判明した。被害樹は伐採、焼却処分された。現在は市町等の関係者が被害地点から半径1㌔圏内にある桜、梅、桃、スモモの全樹を対象に被害状況調査中(19日まで)で、県内全域でフラスの発生状況を確認するよう注意喚起している。
みなべ町の梅生産関係者は「日高地方の梅の木に被害が及び始めると、梅産業に大きな影響を与える。どうにか被害を食い止めなければ」と心配そうに話していた。
日高振興局は「早期の発見が重要。成虫やフラスを発見した場合は農業水産振興課℡0738ー24ー2930まで連絡ください」と呼びかけている。

