イギリス植民地時代のインドに生まれた作家、ジョージ・オーウェルが第2次世界大戦終戦直前の1945年8月に発表した小説。スターリン体制下のソ連社会を動物のおとぎ話に見たてて、スターリンの恐怖政治を風刺しています。当然モデルとなる人物がいるのですが、独裁者は豚に例えるなど、特徴ある動物でチクリと効かせたユーモアのある作品です。

 あらすじ 家畜の動物たちは、知力に富んだ豚のメージャー爺さんが中心となり、動物による動物のための「動物農場」という共和国を誕生させます。まもなくメージャー爺さんは死に、ナポレオン、スノーボール、スクィーラーという豚3匹がメージャー爺さんの後を引き継ぐ指導者として選ばれました。彼らは動物農場の7つの掟をつくって動物たちに教育を施します。 

 ですが、次第にナポレオンが独裁的な態度を示し出します。スノーボール、スクィーラーを次々と追い出し、7つの掟もナポレオンのいいようにどんどん作り変えていきます。

 やがてナポレオンをはじめとする豚たちは2本足で歩きだし、服を着始めるようになります。人間とも取引を始め、ほとんど人間と見分けがつかなくなってしまい…。

 そう、独裁者ナポレオンはスターリンがモデル。メージャー爺さんは社会主義国家を樹立したロシアの革命家レーニン、スクィーラーはスターリンの右腕のモロトフ、スノーボールはスターリンと対立したトロツキーがモデルとなっています。このほか、働き者で賢い市民はロバや馬、知能が低くナポレオンたちにいいように利用される市民は羊たちに例えられています。

 掟は初め「4本脚は良い。2本足は悪い」というスローガンを掲げるのですが、最終的に「4本脚は良い。2本足はさらに良い」と置き換えられてしまいます。このようなことは、今まさにロシアで起きていることと同じなのではないでしょうか。(鞘)

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