日高川の友釣りが5月1日、全国の河川で最も早く解禁する。友釣りは日本古来の独特な釣法。アユが縄張りを持ち、他のアユが近づいてくると体当たりして追い払おうとする習性を利用し、おとりアユに掛け針を付けて泳がせ、野アユを引っ掛けるという釣り方。10㍍近くある長竿を持って瀬に立つ風景は日本の夏の風物詩▼そのアユ釣りに変革の波が訪れつつある。生きたアユをおとりにするのではなく、プラスチックなどで作ったリアルなアユ(ルアー)を釣り糸に付けて引っ張り、アユが泳いでいるように見せかけるという釣り方だ。しかし、この釣りには賛否があり、「アユ狙いなのか、ほかの魚を釣っているのか分からない」「友釣りしている人の前を突っ切り、平気でサオを出す」などの声もあるようで、ルアーを使ったアユ釣りを禁止している河川も多い▼ただ、アユだけでなく、昔はなかった釣り方が流行しているのは確か。アジ釣りに関して言えば、ワーム(疑似餌)を小魚が泳いでいるように見せかけて釣るアジングが若者に人気。ほか、サビキ仕掛けで釣ったイワシやアジをそのままターゲットがいる海底近くまで落とし込み、タイやヒラメなどを狙う釣り方なども脚光を集めている。釣りも時代の流れによってその形が変化する▼アユ釣りは30年ほど前は大人気だった。その当時は「アユの数よりも釣り人の方が多いのでは」と揶揄されるほど。しかし、近年は友釣り人口が年々減少。高価な道具をそろえなければならないことなどが敷居を高くしているようで、将来、手軽なルアー釣りが主流になる可能性も。日本の夏の風物詩も様変わりするのではないか。(雄)

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