みなべ町教育委員会は、町内の南部、上南部、高城の3中学校のうち、高城を上南部中に統合する案について関係地区の保護者や住民に行ったアンケート結果を公表した。「賛成」の回答は地域ごとに6~8割と若干のばらつきがあったものの、「反対」を大きく上回った。今後、統合検討委員会を設置、いよいよ2中統合の議論が本格化していきそうだ。

 町内3中学校はいずれも生徒数が減少傾向にあり、新入生の数をみると、今年度は南部中が64人、上南部中が37人、高城中が9人。10年後は南部中が40人、上南部中15人と減少、高城中は11人になる見通し(以上昨年7月1日現在データ)となっている。

 2021年度に実施したアンケートでは町内3校統合案や統合反対の意見もあったが、「高城中と上南部中を統合し、町内2校にするのが望ましい」との意見が多かった。これを踏まえ、22年度には関係する上南部、高城、清川地区のこども園、保育所、小中学校の保護者、住民を対象にさらに踏み込んだアンケートを実施。「高城中を上南部中に統合する案に賛成(できるだけ早く)か、反対(いまのままでよい・時期尚早)か」という2択で回答を求めた。回答数は保護者420人、住民266人。地区ごとに保護者の回答をみると、上南部は賛成73%、反対24%、どちらでもない3%、高城は賛成63%、反対34%、どちらでもない3%、清川は賛成85%、反対15%。清川地区では地元中が14年度から高城中に統合した経緯があり、今回の統合にも圧倒的に賛成が多かった。3地区住民の回答では賛成85%、反対13%、どちらでもない2%だった。

 先月下旬に開かれた町総合教育会議では今後、保護者代表や区長、議員らでつくる統合検討委員会を設置していくことを確認。井戸和彦教育長は「統合賛成の声は多かったが、『統合ありき』ではなく、しっかり保護者や住民の意見を聞きながら進めたい」と話している。

 日高地方では印南町が昨年、町内4中学校を1校に統合して宇杉ケ丘団地東に新校舎を建築する方針を決定。由良町は今年度から町内3小が統合、日高川町では来春から川原河、笠松、寒川第一の3小が統合するなど、児童、生徒数の減少に伴う学校統合の流れが加速している。

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