委員会(写真奥)の話し合いを傍聴する区長ら

 みなべ町議会議員定数等検討特別委員会が17日開かれたが、天野仁委員長が体調不良で急きょ欠席となったため、肝心の定数削減案の発議を本会議で誰がするのかの話し合いができず、またも議論が棚上げとなった。この日は上南部区長会や一般ら15人が傍聴したが、「あきれて言葉が出ない」「一体何をしているのか」と厳しい声が聞かれた。

 同委員会では先月9日、定数14から2削減して12とする案が賛成7人、反対6人の僅差で承認され、先月の当初議会最終日の17日に天野仁委員長が削減案を発議することが決まったが、16日の委員会で天野委員長から「自分の本意ではない」として削減賛成派の中から発議してほしいとの申し出があった。しかし、話がまとまらず、結局当初議会での削減案の発議を見送った。

 この日の委員会では5月議会での削減案再提案に向けて発議者について協議する予定だったが、直前に事務局に天野委員長から体調不良の連絡があり、病院で診てもらうことになった。委員会は一時休憩して天野委員長の対応を待っていたが、病院での時間がかかることや当の本人が不在では発議者の話し合いができないことなどから、下村勤副委員長が延会を提案した。

 定数現状維持派の委員からは「委員長はいないが、委員長が発議者になる義務があるのか、反対者が賛成の発議をすることが通念に照らして正しいことなのかなど、事実確認をして共通認識を持つべき」との提案があり、原田覚議長に対して考え方を質問。原田議長は「一般的に委員長が発議すべきで、天野委員長もその心づもりだった」「賛成発議をして反対することも問題はない」「委員会の決定を覆すことは可能」などの見解を示した。ほかさまざまな意見が出されたが、話し合いが堂々巡りとなり、最終的に下村副委員長があらためて延会する旨を伝え、委員会を閉じた。

 傍聴した区長の一人は「一度決まったことはそのように進めればいいと思うが、何をしているのか」、元町議の男性は「きょうのような議論を聞きに来たのではない。全員が参加した委員会で一度決まったことを覆すのはもってのほか。町民をバカにしている」との声もあった。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA