
あらすじ 主人公・山口鳴海(35歳、独身)は、美術館の学芸員として働きつつ、猫と推し活を楽しむ充実した生活を送っていた。しかし、幼い頃に憧れていた伯母が「孤独死」したことをきっかけに、婚活から「終活」へと意識を180度転換。各方面から情報収集をするようになる。
この作品は、「孤独死」を発端にした、“「終活」を通じた人生再設計”をコミカルに描いた社会派コメディです。自分が知らず知らずのうちに避けていた夢のない未来を、否が応でも突きつけられます。孤独死、親の介護問題、子育て、奨学金の返済、親の熟年離婚、老後資金、死後の後始末、などなど。鳴海や鳴海の周囲の人々のエピソードを通じて、様々なことを考えさせられます。他人事で済ましていた色々な立場の人の問題が、自分にも簡単に降りかかってくるのだと、あまり何も考えず、のうのうと生きていることを痛感しました。しかし終活がただ暗く重苦しいものというわけではなく、むしろ『人生をより良いものにしよう』『今を大事にしよう』というメッセージが伝わってきます。鳴海の言動には共感できる部分が多く、自分自身や家族の将来、そして「今」を見つめ直すきっかけになりました。
2025年6月よりNHK総合にて、綾瀬はるか主演でドラマ化もされました。※視聴はNHKオンデマンドのみ。「終活」を、単なる死の準備と捉えるのではなく、『どう生きて、どう死にたいか』を模索していく物語です。重いテーマを扱いながらも、頭に入りやすく、こころに残る作品でした。皆様も、終活を前向きに考えるきっかけとして、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。(之)


