鎌倉時代の開山以来750年以上続く精霊送りの伝統行事「灯ろう焼き」が15日夜、由良町の臨済宗鷲峰山興国寺(山川宗玄住職)で営まれた。今年は土俑(どよう)担ぎが5年ぶりに復活し、長さ4・2㍍、重さ約150㌔の土俑を1人で担ぎ上げる勇壮な姿に、大勢の見物客から歓声と拍手が送られた。

土俑を担ぎながら周囲を3周する青年

 「火祭り」とも呼ばれる盂蘭(うら)盆の行事で、先祖を鎮魂する意味のほか、豊作祈願や成人儀礼としても行われ、県指定無形民俗文化財にもなっている。土俑担ぎはコロナ禍以降取りやめていたが、今年から再開。境内は切子灯ろうを手にした檀家らでにぎわい、法堂での法要後、約300㍍離れた無常堂まで列をなした。

 無常堂ではまず、土俑担ぎとともに復活した「たいまつ踊り」があり、地元の小中学生が両手にたいまつを持ち、念仏に合わせて舞を奉納。続いて、シダで作られた土俑が白煙を上げながら登場すると、青年2人が順に1本ずつ担ぎ、火の粉を散らしながら堂の周囲を3周した。

 従来4本あった土俑は2本に減ったものの、燃焼で重心の変わる土俑を支える技が光り、観客席からシャッター音が響いた。その後、2本の土俑を立てる技も披露された。 

 クライマックスは灯ろう焼き。興国寺の大灯ろうを皮切りに、檀家が持参した切子灯ろうなどが次々と炎に投じられると、大きな火柱が夜空を焦がした。初めて訪れたという町内の女性は「土俑担ぎの迫力に圧倒されました。会場のスピーカーでの解説も分かりやすく、多くの人に伝えたい」と話していた。