日高地方の各中学校では、それぞれ工夫を凝らした防災学習を実施している。筆者がかつて取材を担当した印南町の印南中学校では、コンピュータを活用した津波シミュレーションや地域を歩いてのフィールドワーク、昔から地域に伝わる津波の話を検証するなど、多角的に学びを深め、「ぼうさい甲子園」にも数多く出場し、取り組みの質と継続性の高さを実感させられた。

 また、近年担当している日高高校附属中学校でも、防災について行政に聞き取りに行ったり、防災キャンプで実際に避難所生活を体験したりと、先進的な学習が続けられている。他校でもきっと、それぞれの地域や過去の災害の記憶に向き合いながら、多様な学びが展開されているのだろう。

 そうした中、日高附属中を会場に初めて「中学生防災サミット」が開かれ、周辺の7校から約70人の生徒たちが一堂に会した。自校の枠を超えて互いの取り組みを学び合う、貴重な機会となった。防災の現場に携わる講師の話に耳を傾けたり、人命救助に向けた取り組みを続けている高校生から話を聞いたりし、グループワークでは「今できること」をテーマに、自分たちの目線で意見を交わした。

 初めて顔を合わせる他校の生徒に恥ずかしがりながらも、自校での取り組みを語り合い、これまでの学びをもとに自分たちにできることを提案し合った。防災知識を共有するとともに、新たな視点や気づきを得た生徒も多かっただろう。災害はいつ訪れるかわからない。だからこそ、学びは継続し、つながりは広がっていく必要がある。今回のサミットを一つのきっかけに、互いに学び合い、備え合う地域の輪が、さらに大きく育っていくことを願いたい。(城)