働き始めて30年以上が経つ。学生から社会人になって残念に思うことの一つに、長期休暇がなくなったことがある。学生時代には春休み、夏休み、冬休みとまとまった休みがあり、特に夏休みは約40日間もあった。休みの間はダラダラと過ごしながらも毎日が楽しく、比較的自由に行動できる時間があった。

 実家の近くには川遊びにちょうどよい規模の川が流れ、小学生時代の夏休みには毎日のようにその川に出かけた。魚やエビを捕まえたり、泳いだりして楽しみ、夏休み中はまさに格好の遊び場だった。暇さえあれば、友だちと一緒に魚捕りした記憶が今も鮮明に残っている。楽しみは川遊びだけではなく、カブトムシやクワガタを捕まえるのにも夢中になった。同級生らと捕まえたカブトムシの匹数や大きさを競い合ったが、大人になると、そうした体験をすることはなかなか難しい。

 最近は熱中症への懸念や安全面の不安、自然環境の減少などがあり、そうした光景を見ることが少なくなっている。代わってスマホを使ったゲームや動画などで時間を過ごすことが多く、子どもと自然との距離は広がっているように思える。

 自然の中で汗を流し、虫や魚と向き合う体験は学校の教室では学び難い。川の中で泳ぐ魚や昆虫が集まっている様子を観察することで自然の営みを理解するきっかけにもなる。大切に飼っていたカブトムシが死んでしまったとき、命の尊さに気づくこともあるだろう。

 今月末まで夏休みは続く。虫や魚捕りの網を手に、子どもと一緒に出かけてみてはいかがだろう。見つけた虫や魚からは大切な何かを学べるかもしれない。(雄)