カムチャツカ半島沖でマグニチュード8・8の地震が発生し、日本の広範囲に津波警報・注意報が発表された。北海道から沖縄にかけて津波が観測され、岩手県久慈港で1㍍30㌢を最高に、各地で数十㌢、御坊市でも40㌢を記録した。
全国で21都道県の229市町村、合わせて96万7604世帯、201万1038人を対象に「避難指示」を発令。多くの住民が避難所に集まる様子がテレビなどで報じられた。和歌山でも各地で避難所が開設され、日高地方では数百人が公民館などに身を寄せた。突然の警報発令だったが、迅速に避難行動を取る住民が多く、災害への意識の高さがうかがえた。
一方で、全国的にいくつかの課題も明らかになった。冷房設備のない避難所や、そもそも屋外で屋根のない場所に避難したところもあり、熱中症の疑いで搬送されるケースがあった。さらに、避難中の転倒やけがといった事故も各地で報告され、慌ただしい避難行動の中で安全確保の難しさが浮き彫りとなった。
また、避難先に向かう道路では一部で渋滞が発生。自家用車で避難する住民が多く、地域によっては細い道路に車が集中し、移動が滞った。
今回の津波では幸いにも大きな被害は報告されなかったが、この経験は「次」に備えるうえでの重要な教訓となった。真夏の熱中症、真冬の低体温、渋滞や通信の混乱、避難所での混雑や設備不足など、あらゆる状況を想定した備えが求められる。自然災害は避けられないが、備えによって被害を最小限にとどめることはできる。今回、浮かび上がった課題を一つひとつ見直し、地域の防災力を高めていくことが、次の災害から命を守る第一歩となる。(城)


