いつまでも健康で長生きしたい。中高年になれば誰でも体重、血圧、コレステロールなどの数値が気になり始める。若い人はかっこよく、かわいく、美しくありたいというのが自然な願いであろう。

 しかし、目的達成のために肉体、体質を改善するのはなかなかしんどい。できることなら無理なく、これまで通りの生活習慣を続けながらやせたい。そんなあなたはサプリメントや機能性表示食品が気になり始める。

 ここで気をつけなければいけないのはネットの情報。スマホの検索履歴からユーザーの趣味や関心事に合わせて送りつける広告がくせもので、「無理なくやせる」といったワードにはAIの勝手なパーソナライズにより、病気の治療薬の広告が届くようになる。

 問題となっているのは、食欲を抑え、血糖値を下げる皮下注射の糖尿病治療薬。当然、医師の診察、処方箋がなければ買えないのだが、電話の簡易な問診だけで買えるオンラインクリニックというものが存在し、都会ではまるで備蓄米入荷のごとく入り口に張り紙をしているクリニックもあるという。あくまでも病気の治療薬であり、副作用を理解せずダイエット目的に使ってしまうととんでもないことになる。

 さらに恐ろしいのは、「名古屋が中国から米国への原料不正輸出の経由拠点となっていた」とのスクープ報道もあった医療用合成麻薬のフェンタニル。米国では「現代のアヘン戦争」と呼ばれるほど、若者を中心に大量の中毒患者と死者を生んでいる。日本国内ではまだ密輸や非正規品の乱用実態はないというが、人の欲望には常に危険がつきまとう。夏の怪談ではない、身の回りに潜む危険な穴にご用心。(静)