イスラエルという国名がニュースに登場することの多い昨今ですが、前の大阪万博が開かれた頃、日本人とユダヤ人の比較文化論が発売されてなんと300万部を超える大ベストセラーとなりました。昔読んで、日本人論として面白かった覚えがあったのですが、今度はユダヤ人側の記述に焦点を当てて読んでみようと引っ張り出してきました。

 内容 「日本人は水と安全はタダだと思っている」という言い回しが使われ始めたのは、本書が最初だったといわれる。モンスーン対砂漠、農耕対遊牧、定住対放浪、多神教対一神教――。あらゆることが対照的でありながら、白と黒が無彩色の純色という点で共通するように、奇妙に通じ合うものも含んでいるようなこの2つの民族。

 日本人は全員、「日本教」ともいうべき宗教の信者、「日本教徒」であるといっていい。その根本理念は「人間性」にあり、「理屈」を否定するところから始まっている。日本語を学ぶには言語の修得だけでは駄目で、「言外」の修得まで入る。
「いくら聖書を日本語に訳しても、日本人は、最も大切なことは、言葉によらず言外によるから、これはもういかんともしがたい。聖書はその本文によらず、本文の言外によることになってしまう。従って日本人にうけ入れられるのは、この言外だけになってしまう」

 この下りが大変面白く、日本人の日本人たる本質はここにあるのかもという気がします。

 イスラエルについて勉強しようと思ったのですが、結局「日本人とは」という視点であらためて考察することになり、当初の目的は他の本を探して達成することにしました。(里)