7月のテーマは「涼」。涼しげな描写のある本をご紹介します。
 「にほんのいきもの暦」(日本生態系協会著、角川文庫)
 日本の四季の移ろいを、立春から大寒まで二十四節気に沿って小さな生き物の姿や自然現象とともに情緒豊かな文で紹介する、写真も満載の一冊です。

  * * *

 炎天を避けて少しの間昼寝する「三尺寝」も、疲れを癒やす効果がありました。暑さがやわらぐ夜には、蛍狩りや夜の川を行く涼み舟、花火大会など、夏の夜ならではの楽しみがあります。(略)

 昼に入道雲がむくむくと昇ると、夕方には時折激しい雨が降ります。ことわざの「夕立ちは馬の背を分ける」は、馬の背の半分は雨が降っているのに、もう半分は濡れていないという意味を表し、夏の夕立が局地的であることの例えです。激しく降る様を「鉄砲雨」や「滝落とし」、束ねた竹が突き下ろされたような降り方を「篠つく雨」と表現しました。ざあっと降って、ほどなく止む夏の雨。湿度が増す一方、この雨のおかげで涼しい夜があることも事実です。