事実上の政権選択といわれた参院選に有権者の審判が下った。7人が立候補した注目の和歌山選挙区は、世耕衆院議員が支援する無所属の望月氏が自民党の二階氏、勢いに乗る参政党の林元氏らを破って初陣を飾った。

 石破首相は今回、与党の勝敗ラインを定数の過半数(125議席)と設定した。3年前、安倍元首相が凶弾に倒れ、その弔い合戦となって獲得した75議席が非改選であるから、たった50議席で達成できる低い目標だったが、結果はそれを大きく下回りそうだ。

 一方で、第三極の参政、国民民主が躍進した。主要争点の物価高対策は消費減税を掲げ、対象品目や割合、財源にも違いはあったが、いずれにせよ、自公の2万円給付よりははるかに高い支持を得た。

 石破首相は「陣営の士気が下がる」「票が減る」と身も蓋もないいわれ方で、各地で応援に入るのを断られた。大阪では党府連会長の青山繁晴参院議員が演説に同席しなかった。過去、これほど嫌われた宰相がいただろうか。国民の怒りは凄まじいエネルギーとなって岩盤をはね上げた。

 石破首相は昨年の解散総選挙、先月の都議選に続く大敗で、自民党として初の衆参とも過半数割れとなれば、常識的にはどう考えても続投は許されない。「トランプ大統領との関税交渉に全力を挙げねばならない」などと言えるはずもなく、即刻、退陣せねばならない。

 激震は政権選択どころか、政界再編を起こすほどのマグニチュード。自民党の背骨を入れ直すべく、高市早苗議員が総裁選出馬を決意したとの情報もあるが、安全保障、基礎年金底上げ財源など課題は山積している。無所属の世耕氏と望月氏はどう動くのか。(静)