観測史上最速で梅雨が明け、セミの声がまったく聞こえないまま猛暑の夏を迎えた。ヨーロッパでは記録的な熱波が続いているが、問題は気温よりも湿度の高さ。日本の蒸し暑さはアフリカから来た留学生も音を上げる。くれぐれも熱中症に気をつけたい。
まだ静かなセミの代わりに、参院選の選挙カーや街頭演説の声が耳に届く。和歌山県は過去最多の7人が立候補し、県内全域で舌戦が繰り広げているが、どの候補も怒気をはらみ、凄みを感じるのは気のせいか。
事実上の政権選択選挙。全国的に、参院選としてはかつてない盛り上がりをみせている。最大の争点は物価高対策で、働けど働けど手取りの上がらぬ国民のために政治は何をすべきか。各党はどこを向き、何に力点を置くのか。
石破首相は「民意を厳粛に、謙虚に受け止めねばならない」といいながら、衆院選、都議選で惨敗してもその座から下りようとしない。政治家のいう民意とは誰の意を指し、謙虚に受け止めるとはどういう意味なのかも分からない。
今回は物価高騰対策として、自民党は2万円の給付を公約に掲げているが、先の党の会合での「政治家が国民に受けることを言い始めると国は滅びる」という真っ当なようで、減税をポピュリズムと断じた首相の上からの発言が、国民の怒りにガソリンを注いでしまった感もある。
選挙戦はまだ始まったばかり。これからセミの声と選挙の熱気が高まり、気温以上の暑さを感じる夏になるかもしれない。有権者は各党の政策、各候補の訴えに耳を傾け、日本、和歌山、暮らしのために必要な人物を見極めねばならない。少子化、外国人、安全保障など物価高以外の課題にも目を。(静)


