イスラエルとイランの軍事衝突に絡み、米軍が地中深くにあるイランのウラン濃縮工場などに地下貫通爆弾を撃ち込んだ。トランプ大統領は「作戦は大成功を収めた。施設は完全に破壊された」と成果を強調。イランの出方によってはイスラエルの核使用が懸念される事態となったが、あっけなく表面上の停戦合意に至った。

 今回、トランプ大統領はイランとイスラエルの停戦交渉に首を突っ込み、イランに対して2週間の猶予を与えて降伏を迫った。しかしその2日後、いきなり軍事作戦を決行した。その決断の裏には何があったのか。

 一般的に、外交は軍事力があってこそ優位に進めることができ、軍事力が弱い国は強国に何を求めても相手にされない。それはトランプ大統領がメディアの前でウクライナのゼレンスキー大統領を罵倒したのをみても明らかで、過去の米国のイラクやパナマへの侵攻も同じ構図である。

 米国とロシアのほか、中国、英国、フランスも含む5カ国は国連安保理の常任理事国。国連は国際社会の平和と安全を維持するための機関として設立されたが、その平和を守るべき核大国が持たざる国を踏みにじり、脅し上げている。

 今回のイランの米軍に対する事前通告ありの反撃をみても、核の脅威に戦意を喪失しているのは確実。現状、イランは核兵器国ではないが、「これ以上やれば(核の反撃で)自国が消えてなくなる」という恐怖が形式的な反撃となった。

 我が国は核を持つ中国、ロシア、北朝鮮に囲まれ、これまでかろうじて抑止を効かせてきた米軍の核の傘もトランプ大統領に外されかねない。来月3日は参院選公示。世界現実から目をそらさず、党利でなく国民のための意志を持った議員を選びたい。(静)