
今年三月、旧統一教会は東京地裁より解散命令を受けた。その旧統一教会(以後統一教会)の実態と恐怖を描いたのが本著である。著者は自らも統一教会のアメリカ支部の幹部であった経験から、統一教会とはいかなる団体かを解き明かしている。
著者が統一教会に入信するきっかけは学生時代、魅惑的な女性が近づいてきて話しかけられたことだった。「世界中からいろんな学生が集まっている団体がある。一度遊びに来ませんか」と誘われたのである。そしてその団体は「人間が同志愛と尊敬で触れ合う一つの世界を目指す団体である」と説明された。後にそれはCARPであることが判明する。これは統一教会の学生組織だ。(CARPの「C」はCOLLEGEを指す。「大学連合原理研究会」の英語表記の頭文字)。
そして研修会に参加することを促された。その研修は一日から始まり、三日、一週間へと変化して行き、その研修会では途中の質問は許されず、一通りの研修が終わった後で許されるだけだった。その中で、統一教会の理念が浸透していく。その一つに、教祖の文鮮明は救世主(メシア)というもので、アダム、アブラハム、イエス・キリスト、そして文鮮明はそれぞれ二千年ごとに生まれた救世主だと教えられた。そしてその信仰の深さはその献金の多さにあると教えられた。
著者がなぜ統一教会から抜け出せたのかについては、外部との接触を保ち続けることができたからだと述べている。
現在著者は救出カウンセラーとして活躍している。(秀)


