
任期満了に伴う印南町議選(8月5日告示、10日投開票)へ向けて19日、会社役員の福田貴啓(たかひろ)氏(45)=印南町羽六=が出馬を表明した。同町議選への新人の立候補表明は初めて。現職12人のうち杉谷考祥(79)=羽六・4期=が今期限りでの引退を明らかにし、現時点で定数ちょうど。ほか現職11人は出馬の構えで、新人はうわさはあるものの表面化しておらず、低調ムードとなっている。
福田氏は株式会社エンジョイ和の代表で、在宅マッサージと梅の買い付けの事業を展開している。引退する杉谷氏と同じ地域からの出馬で、後継となる。
福田氏はみなべ町土井出身で、結婚を機に22歳で羽六へ。南部川村議を長年務め、地域のために取り組んでいた祖父の背中を見て育ち、切目川地域のために何かしたいという思いを以前から持ち続け、保護者会長やPTA会長も務めた。年明けに町議選出馬への打診を受け「杉谷さんが辞められるなら切目川地区に議員がいなくなる。地域のために頑張りたい」と出馬を決意した。取り組みたいこととして、まちの基幹である1次産業の振興を第一に掲げ、「耕作放棄地や後継者不足、鳥獣被害対策に加えて、物価高でハウスの張り替えにも大きな負担がかかっている。補助制度など生産者を助けることに取り組みたい」と抱負。ほかにも南海地震に備えたインフラ整備、統合中学校のソフト面でのスムーズなスタート、統合後の跡地利用なども挙げ、「10年、20年先を見据え、いいものは守り、改革すべきは改革したい。地域の声をしっかりと聞いて、町政に反映させたい」と話した。
2000年以降に行われた7回の町議選(補欠選含む)のうち、無投票は2017年の前々回だけ。前回は定数12に16人が出馬する激戦となった。4年前も当初は低調ムードだったが、6月下旬から新人の名乗りが相次いだ。今回も現時点では低調ムードだが、無投票阻止を含めて今後、擁立の動きが活発化するとみられ、今後の動向が注目されている。
出馬が予想されている現職11人は次の皆さん。
黒井美晴(71)=印南原・1期=、木村栄一(68)=島田・2期=、岡本庄三(69)=山口・4期=、谷章資(72)=印南原・1期=、中島洋(63)=印南・3期=、片山智文(52)=印南・1期=、古川眞(68)=島田・2期=、玉置克彦(66)=西ノ地・4期=、榎本一平(65)=西ノ地・6期=、前田憲男(62)=上洞・3期=、堀口晴生(73)=印南・7期=