読者の皆さんには、「これがあると私は安心」というものはあるだろうか。筆者にはある。防災や防犯上などではなく、もっと日常的な場面だが。
筆者は仕事場では記者、家庭では料理番として働いている。帰宅後はキッチンに直行、相棒(冷蔵庫)と相談して夕飯のメニューを決める。しかし、レパートリーの少ないひよっこ料理番にとってそれは困難を極める。「わざわざ買い物に出かけるのも手間だなぁ」と、できるだけあるもので済まそうとするのだが、これが苦難の始まり。限られた食材でいかにして家族のおなかを満たすか。即決できる日もあるが、時には10分悩んでも20分悩んでも小鉢の1つすら思い浮かばない。
「うーん」とうなりながらキッチンをうろうろ、スマホの万歩計だけが機嫌よく数値を伸ばす。そんな時、冷蔵庫にひき肉があれば筆者は歓喜。飛び上がりまではしないが、夕食の目途が立ったと小さくガッツポーズぐらいはする。
ひき肉は和・洋・中と幅広く活用できる、「これがあれば安心」という強い味方の食材だ。特に気に入っているレシピは、簡単にできる「なんちゃってつくね」。ひき肉に水切りした豆腐を混ぜて味付けし、野菜室の端っこで眠っているニラ、エノキ、タマネギ等をみじん切りして気が済むまで混ぜ、一口大に形成。焦げ目がつくまで焼き、たれを絡める。おなかが満たされる上に冷蔵庫の掃除ができる、一石二鳥レシピなのだ。 何が起こるかわからない現代社会。防災でも防犯でも「これさえあれば」という安心感を与えてくれるものが、備えを考える時には重要だ。筆者の料理におけるひき肉のように。(丸)


