本書は「初めに言葉があった。言葉は神であった」という聖書の記述から始まっている。神のお告げなり啓示を書き記すことから文字が生まれたことを意味する。文字の起源は「ヒエログリフ」(象形文字)である。

 漢字もこの「ヒエログリフ」として始まり、原形が亀の甲羅に刻まれた甲骨文字だ。亀の腹甲に穴を開け火であぶり、出来たひび割れで占った結果を書き記したものが甲骨文字で、これは中国最古の王朝「殷」で生まれた。紀元前一五〇〇年頃のことである。

 甲骨文字を起源とする漢字の元の意味が本書では紹介されている。

 例えば「京都」だ。「京」も「都」も元々は「みやこ」の意味はない。「京」は高い楼門で、これは軍門を示している。また、「左伝」などの記述から「京」は異族や敵屍をもって築く凱旋門だという。「都」は者と邑に従う字で、形声の字とされているが、「者」には呪禁の意味が含まれ、そしてその地を囲う垣に呪禁が加えられ、そのような城垣で守られているのが「都」であったという。

 また「王」とは、「説文」によると、王の字形を、天、地、人の三才を貫く意を示すものとして「王」の字形はなっているという、また、「王」が神聖とされるのは権力に由来するのではなく、神聖性の結果として生まれたもので、「王」が神と人との媒介者として生まれている。ゆえに、「王」の文字には天、地、人を貫くものという意味があるとされる。

 このように、「漢字」には如何に深い意味があるのかを、改めて教えられるのである。(秀)