赤く熟した豆を丁寧に収穫する道仙さん

 日高川町川原河、道仙(どうせん)信也さん(40)が9日、同町中津川地内でハウス栽培しているコーヒー豆を初収穫した。

 コーヒーは通常、赤道直下のブラジルやベトナムで生産され、国内で栽培されるのは珍しく、近畿地方では2例目。

 道仙さんは昨年3月、低温に強い改良品種の苗木50本を購入して植栽。順調に生育し、うち3本が昨年7月に白い花を咲かせ、8月ごろには小さな実をつけ始めた。今年3月ごろからは緑だった果実(直径約1㌢)が赤く熟し、収穫時期を迎えた。

 この日、道仙さんは容器を手に1つずつ丁寧にもぎとり、約250粒(約100㌘)を収穫。現在、実をつけていなかった木も花を咲かせており、今年の冬には約10㌔の収穫を見込んでいるという。初収穫されたコーヒー豆は岩出市のコーヒー店で焙煎し、風味などをチェックする。

 道仙さんは「将来はコーヒーを、梅やミカンに並ぶ和歌山の特産にすることが夢」と話している。