日高地域消費生活相談窓口の2024年度相談実績がまとまり、相談件数は過去最多の286件。不審な電話やメールによる架空請求に関する相談が最も多く、近年、多発する特殊詐欺への不安や警戒を反映した。

 そんな中、相談窓口に相談したおかげで、支払った現金が戻ってきたケースがある。24年度は54件あり、返金額は計479万3666円。社会面の記事でも一部紹介させていただいたが、最も大きかった事例はオンラインゲームの課金124万8800円。未成年がオンラインゲームで課金し、保護者が未成年取り消し申請をしたが認められず、窓口に相談したところ、今回に限り全額が返金された。電気温水器設置工事はクーリングオフができ、約94万円の契約を解約。訪問販売での塗装工事契約は事前の説明不足と仕上がりの不満で55万円の契約がクーリングオフできた。副業サイト登録では即払い金147万円のうち47万円の返金。美容整形は最初に費用が10万円程度と聞いていたが、治療追加費として60万円以上の支払いが必要となり、そのうち22万円が請求取消となった。

 これらの事例を見て、窓口に相談すれば全額返金もあるので多少だまされても大丈夫などとは、決して考えないでいただきたい。泣き寝入りせざるを得ないケースも多々あることを念頭に入れた上で、少しでも変だと思ったら窓口に早めに相談を。ただ、この「少しでも変」と思わないから詐欺に引っかかるのである。ではどうすればいいのか。それは日ごろからいろんな詐欺の事例をテレビや新聞などで見聞きしておくこと。賢い消費者として詐欺に遭わないよう広くアンテナを張っておこう。(吉)