5月3日のオープンを前に店の看板とともに大前さん

 和歌山大学に通う2人が企画・運営するカフェ&漁師飯「海の駅あお」が5月3日、日高町阿尾にある日之岬漁業株式会社の旧事務所でオープンする。

 同大学大学院観光学科研究科で観光の視点から地域創生やマーケティングを学んでいる大前陶子さん(23)=広島県廿日市市出身=と同大学システム工学部の中里花菜さん(24)=大阪府高槻市出身=が中心となり、3日の開店を目指して店舗の改装やメニューの考案に汗を流している。

 大前さんが所属していたボーイスカウトの隊長山口昇考さん(57)=和歌山市=の紹介で日之岬漁業株式会社代表取締役の濱村一成さん(49)=日高町阿尾=と出会い、旧事務所を利用させてもらうことになった。

 同店のテーマは「人生の船乗りが集う憩いの場」、ふらっと立ち寄った人々に出会いと安らぎの場を提供。中里さん考案のスイーツやコーヒー、地元の魚を使った漁師飯が楽しめる。

 昨年10月から作業を始め、阿尾にゆかりのある林淳さん(51)=御坊市=らの協力のもと、かつて事務所として使用されていた空き家をリノベーション。床板を張る作業や店舗内外の塗装など全て手作業で行っており、既存の建物の良さを生かした温かい空間に仕上がっている。

 大前さんは「『また帰りたい』と思ってもらえるような居場所作りを目指しています。自分たちのお店から阿尾を知ってもらい、そこから地域を好きになってもらえたらうれしいです」と笑顔を見せ、中里さんは「海の駅あおはたくさんの方の協力を得て作り上げてきたお店です。地域の方々の憩いの場になり、県内外の方々との交流の場になればうれしいです」と話している。

 5月3日から毎週土日祝で営業する。土曜日と祝日は午前10時から午後4時。日曜日は午前8時から午後4時まで(モーニングあり)。