
千葉ロッテマリーンズでキャッチャーを務めた里崎智也が見た令和のプロ野球である。
昭和、平成とは違う、ファンなら誰もが知りたい令和ならではの話のオンパレード。
第一章、第二の古田敦也や谷繁元信・里崎智也(いずれもキャッチャー)はなぜ現れないのかというところから始まる。里崎氏は、「いい捕手」の定義は「リードがいい捕手」という大誤解があるという。「いい捕手」の最低条件は「打てる捕手」であることと言い切る。確かに、いずれもが名バッターであった。(古田と谷繁は2000本安打達成)。
第二章では、なぜポストシーズンで「下剋上」が起こるのか? 昨年、セリーグは、第三位から日本一となったDeNAについて詳細に分析し、かつて里崎氏も所属した千葉ロッテも「下剋上」を成し遂げている。これとの比較である。
第三章は、「新庄日本ハム」と「立浪中日」にはなぜ差がついたのか。昨年、日本ハムはパ・リーグ二位であり、中日はセ・リーグ最下位であった。これを里崎氏は「監督就任1年目は負けることを怖がらなかった日本ハム」と、逆に「監督就任1年目から勝ちに行った中日」との差であると分析した。
第4章は、ポスティングシステムについて、第五章では、「なぜ、投高打低」が続くのか? 昨年三割バッターが三人しかいなかった(オースティン、サンタナ、近藤健介)。この原因について私見を述べている。さらに現代の分業制の投手の起用法についても触れる。いずれにしてもプロ野球ファンには堪らない情報の数々である。(秀)