歌絵本の「おばけなんてないさ」を手にする中川さん

 御坊市湯川町富安、イラストレーター・絵本作家の中川貴雄さん(45)が絵を手掛けた歌絵本「おばけなんてないさ」が、フレーベル館から出版された。

 歌絵本は童謡などの歌詞をイメージして作家が絵を描き、絵本にするジャンルで、「おにのパンツ」「犬のおまわりさん」など有名な曲で書籍化されている。おばけなんてないさは槇みのり作詞、峯陽作曲の日本の童謡。歌手弘田三枝子がうたい、1966年にNHKの番組「みんなのうた」などで放送され、2015年には歌手木村カエラがカバーした。

 おばけなんてないさの歌絵本は2009年、絵本作家せなけいこさんが絵を担当して書籍化されており、中川さんが2人目。おばけの絵がトレードマークとなっていたせなさんは昨年10月に死去しており、中川さんが引き継ぐ形となった。せなさんのおばけの絵はちょっと怖いイメージを感じさせるが、中川さんは楽しく仲良くなれそうなおばけに仕上げており、「幼児向けの絵本ですが、もっと上の年齢でも楽しめる内容となっています。親子でうたいながら読んでもらえれば」と話している。価格は税別900円。

 中川さんは大阪デザイナー専門学校イラストレーション学科を卒業し、人気絵本「わすれんぼうのサンタクロース」(中川ひろたか作)の絵を担当している。昨年11月には物語の内容から絵まで自身が考えた絵本「パンダとうさん」を出版した。